運転免許を所有している人で、普段車を運転する人は、「当て逃げ」に関する知識を必ず頭に入れておく必要があります。当て逃げとは、車や建物、設備などに車をぶつけた後、その現場から逃げてしまうことを言います。一般的によく知られている「ひき逃げ」は、人をはねてそのまま逃げてしまうことを言いますが、当て逃げの場合は車や建物など、物に車をぶつけて逃げることを言います。当て逃げがよく起こる現場として、まず挙げられるのが駐車場です。
特に、大型スーパーなどの駐車場で、駐車していた車が何らかの原因でぶつけられ、そのまま逃げられてしまうケースが多くあります。一番多いのが、自分の車の隣に駐車しようとした車が、駐車時に操作を誤ってぶつけてしまうというケースです。駐車場の場合、すぐにぶつけられた車の所有者が戻ってくるとは限らないため、車をぶつけた人がそのまま逃げてしまう可能性が非常に高いのです。通常の物損事故の場合、道路交通法に定められている違反点数の加点や罰金、懲役などはなく、ただ単に壊したものを賠償すれば済みます。
しかし、当て逃げの場合はそうはいきません。当て逃げが発覚した場合、まず「危険防止等措置義務違反」という違反が適用され、違反点数5点が加算されます。これに加えて「安全運転義務違反」の違反点数2点が加算されます。ただ、軽微な物損事故の場合、自分と加害者側で示談が成立している場合は、これらの違反はあまり適用されません。
また、1年以下の懲役または10万円以下の罰金も科せられますが、罰金刑で済むことがほとんどです。